特別講演1「糖尿病足壊疽に対する下肢救済外科治療」

5月26日(金)特別講演1「糖尿病足壊疽に対する下肢救済外科治療」
座長 古森 公浩 (名古屋大学大学院医学系研究科血管外科)
演者 笹嶋 唯博 (江戸川病院)

足趾壊疽は、近年、95%が粥状硬化性動脈閉塞症(ASO)で,その80%以上は糖尿病(DM),60%以上が維持透析である。残り10%は関節リウマチや強皮症などの膠原病随伴血管炎、バージャー病、shaggy aorta syndrome (SAS)などが占める。これらは安静時疼痛を伴い壊疽の中枢進展では、下肢大切断(MA)が行われる。
DM足壊疽はMAの主因であるが、実際は疾患/壊疽に対する医師の知識・経験の不足により安易に実施され、さらには下腿~足部動脈病変に対する無定見な血管内治療が病態を悪化させるなど不適切な診療による場合が少なくない。DM足壊疽には神経性、虚血性、混合性があるが、最近は混合性が50%以上を占め、虚血と感染の相乗効果により虚血が軽度でも感染壊疽が急速に拡大してMAに至る。すなわち虚血を伴うDM足壊疽の下肢救済(LS)では、血行再建が全てのごとく誤解されているが、それはLS上、1/3の役割を担うに過ぎず、MAの主因は感染である。LS達成には、1)適切な血行再建の後、2)感染壊疽に対する適切な治療が最も重要で、最後に3)足形成が不可欠で、3段階の治療が完了する。血行再建後のMAは、感染壊疽に対する不適切な局所治療や不適切な血行再建に伴う軽度虚血の遺残による無効な感染治療の継続などが原因となることから軽度虚血に対してバイパス手術が行われる場合も少なくない。この様な背景から足趾壊疽では、安静時疼痛や虚血性壊疽を基準とする従来の重症虚血肢という概念が当てはまらず、DM特有の壊疽病態も包摂した切迫切断肢という重症度分類が導入されるようになっている。その他の足壊疽病態として、SAS(粥腫の自壊による微小アテローム塞栓症)、膠原病随伴血管炎などがみられ、治療法が異なるので周知されるべきである。講演では足壊疽を来す疾患群の包括的な外科治療について述べる。

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

第9回日本下肢救済・足病学会学術集会開催情報はこちら

No results found

メニュー