パネルディスカッション2-3「血管外科学会CLI registry (JCLIMB)」

5月26日(金)パネルディスカッション2「サーベイランスを考えよう」
3. 血管外科学会CLI registry (JCLIMB)
座長 半田 宣弘 (医薬品医療機器総合機構)
座長 横井 宏佳 (福岡山王病院 循環器センター)
演者 宮田 哲郎 (山王病院、山王メディカルセンター 血管病センター)

2013年以降、日本血管外科学会は、我が国の血管外科医により行われている重症下肢虚血(critical limb ischemia; CLI)診療の現状を明らかにし、その結果を現場の医師に還元することで医療の質の向上に貢献することを目的として、全国規模のCLI登録・追跡データベース事業を開始した。このデータベースは非手術例も含むCLI患者の背景、治療内容、早期予後、および術後5年までの遠隔期予後を登録するもので、JAPAN Critical Limb Ischemia Database(JCLIMB)と呼称しNCD 上に設置された。

2013年と14年の2年間にCLI 2554肢が登録され、98%がASOだった。男性が71%を占めた。併存疾患は糖尿病65%、冠動脈疾患43%、脳血管疾患25%、心不全15%、慢性腎不全透析45%だった。対側肢もCLIであった肢が21%を占めた。閉塞病変は広範囲で、大動脈腸骨動脈病変の43%、大腿膝窩動脈病変の59%はTASC D病変だった。また、43%は下腿以下動脈の閉塞だった。Rutherfordのステージが上がるにつれて創の状態も不良となり、Rutherford 5の25%、Rutherford 6の67%に局所感染を認めた。登録肢の95%で血行再建が行われ、保存治療3%、一次大切断2%だった。血行再建は外科的血行再建とEVTがほぼ同数だった。外科的血行再建の46%はdistal bypassで、EVTの37%は下腿以下病変に対するものだった。

CLIの治療戦略を考える際には、解剖学的閉塞範囲、局所状態、全身状態の3つの患者因子を考慮する必要がある。JCLIMBのデータが集積した段階で、患者の術前状態から治療成績を予測する「JCLIMBスコア(仮称)」を算出することで、CLIの治療戦略決定の手助けとなることを目指している。

 

 

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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