パネルディスカッション2-1「From OLIVE registry to Priority registry」

5月26日(金)パネルディスカッション2「サーベイランスを考えよう」
1. From OLIVE registry to Priority registry
座長 半田 宣弘 (医薬品医療機器総合機構)
座長 横井 宏佳 (福岡山王病院 循環器センター)
演者 飯田  修 (関西ろうさい病院 循環器内科)

重症下肢虚血 (CLI: critical limb ischemia)は、下肢の安静時疼痛や足趾潰瘍・壊疽を合併する病態であり、下肢閉塞性動脈硬化症(PAD: peripheral artery disease)の最重症型として定義される。CLI症例には高頻度に糖尿病・慢性腎不全を合併し、結果として鼠径部以下動脈が責任病変になることが多い。
CLIに対する第一選択治療は、保存的治療ではなく、血行再建術(血管内治療 [EVT: endovascular therapy] もしくは外科的バイパス術 [BSX: bypass surgery] )である。
実臨床ではEVTとBSXが、患者・患肢・病変背景により選択される。
近年、デバイスの改良による治療成績改善の影響もあり、EVTが第一選択治療と考えられることが多い。
「果たしてEVTの治療長期成績は如何なるものか?」、これを評価した研究がOLIVE試験である。
本研究は、日本における鼠径靭帯以下動脈領域に病変を有するCLI患者に対して、EVTの有効性と安全性に関して、多施設前向きに検討したものである。
実臨床を反映して、糖尿病が71%、透析患者は52%と効率に合併していた。
主要評価項目の3年大切断回避下生存率 (AFS: amputation-free survival)は55.2%で、大切断もしくは死亡における独立危険因子は、年齢、BMI≦18.5、血液透析、Rutherford 6であった。
創傷を有するCLI症例において、創傷なし3年生存率は49.6%で、一度創傷が治癒した後創傷再発率は43.9%で、膝下単独病変によるCLIが創傷再発の危険因子であった。
この研究よりEVTの長期成績の妥当性を示すとともに、その再発率の高さも明らかになった。
実臨床におけるもう一つの命題は、「ADL低下や痴呆などを有するCLI症例に対してどこまで血行再建術で挑むか?」である。実際に「保存的治療と比較してどうか?血行再建術で予後を改善することができるのか?」の問題を明らかにした研究がPriority studyである。本結果については、本会で報告したい。

いずれにしても、本邦におけるCLIに対する血管内治療は行きつくところに至っている感がある。今後は、医療経済も加味した上での議論が必要になってくるであろう。

 

 

 

 

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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