5月27日(土)シンポジウム5「フットケアと創傷管理の融合を目指して ―下肢救済のために結集する看護の力―」
2. 地域で行う看護師の下肢創傷管理
座長 大浦 紀彦 (杏林大学医学部形成外科学)
座長 溝上 祐子 (日本看護協会 看護研修学校)
演者 間宮 直子 (大阪府済生会吹田病院)

超高齢社会に突入している本邦では、加齢や糖尿病等に伴うPADなどの足病患者が今後ますます増加することが予測されている。さらに、血流障害だけでなく、知覚障害や易感染などがあれば、不適切な創傷処置やケアによっては、治癒の遅延だけでなく、容易に重症化へ移行する。これらはADLの低下にもつながることから、医療機関において足の評価をしてからフットケアを行うことが、近年重要であるとされてきた。

地域においても同様であり、創傷を保有していなくてもフットケアを実践するうえでは、事前に足を評価することが重要である。すなわち、変形した爪や足趾のフットケアへの着手には、まず足に触れて皮膚の状態や血流を把握し、足のリスクを知ってからケアを実践することが必要である。また、菲薄した脆弱皮膚や強度拘縮がある下肢へのフットケアは、いかに皮膚損傷を予防できるかの知識や技術と、それらを周囲に情報発信するコミュニケーション能力も重要であると感じている。

平成24年度の診療報酬改定は、専門性の高い看護師による訪問看護師との同行訪問に対して「在宅患者訪問看護・指導料」が創設された。創傷ケアの条件は、真皮を超える褥瘡ケアとされている。平成28年度の診療報酬改定での「退院後訪問指導料」は、退院直後に行う訪問指導の評価であり、これも真皮を超える褥瘡ケアが算定対象となっている。すなわち、下肢の褥瘡以外の創傷は、医療機関から地域に出向いてケアや指導を施しても診療報酬が認められないということである。こうした背景は、在宅や高齢者施設などの地域における下肢創傷の重症化や治癒遅延を招いていないだろうか。

このような背景もあり、医療機関で実践している下肢の褥瘡だけでなく、糖尿病足潰瘍や静脈うっ滞性潰瘍などの創傷管理について、地域に出向いて情報発信を始めた。下肢救済のため、地域に向かって看護師は何をするべきかを考えてみたい。
 

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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