シンポジウム11-3「過疎地域の整形外科の救肢に対する現状」

5月27日(土)シンポジウム11「重症虚血肢に対して整形外科医はどう向き合うべきか~足病変に対する救肢治療への関わり・救肢、救命できない場合の対応について~」
3. 過疎地域の整形外科の救肢に対する現状
座長 富村 奈津子 (南風病院)
座長 大谷 則史 (製鉄記念室蘭病院)
演者 川添 泰臣 (曽於医師会立病院)

高齢化社会により、重症虚血肢に対する救肢が困難となる症例がしばしば見られる。その際、下肢痛や皮膚病変を主訴とするため、整形外科を第一に受診する場合が多く、初期対応の遅さやその判断に難渋し、切断の転帰となる場合も少なくない。今回、整形外科の立場から重症虚血肢症例の救肢・救命、切断術について日常診療の現状、治療方針の決定や専門施設との連携を若干の症例を踏まえ報告する。

曽於医師会立病院は約8万人規模の医療圏であるが、10年後の人口推移は7万人以下となることが予想されており、人口減少が続く過疎地域である。65歳以上の人口比は37。5%で全国平均の26%を大きく上回る一方、10万人当たりの医師数は全国平均の1/3程度である。 血管外科を専門とする施設や医師はもちろん、血管内治療(EVT)を行う施設もなく、必要時には遠方の専門施設への紹介となるため、医療環境や経済的な問題、アドヒアランスの欠如から切断を選択する場合がしばしばである。

しかしもっとも重要な点は、初診時にFontaine分類のⅣ度のため、切断手術のために紹介を頂く場合や、判断の遅れから発熱やショックなどの全身症状が発症してからの受診がほとんどであり、十分な検査や専門施設での診察を受けるだけの時間が取れずに切断に至ることが多いことである。一方で、不幸にして大切断に至った症例でも、失われた機能を義肢により回復し、社会復帰を果たすことができた症例があることも事実である。限られた時間の中で適切に判断し、複数の施設間で連携をとり、大切断をできるだけ回避することが救肢・救命の根幹であるが、医療資源、社会環境、患者のアドヒアランス等乗り越えるべき壁が多いのが我々の日常診療である。

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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