シンポジウム11-2「地域の整形外科診療における虚血肢治療の現状について」

5月27日(土)シンポジウム11「重症虚血肢に対して整形外科医はどう向き合うべきか~足病変に対する救肢治療への関わり・救肢、救命できない場合の対応について~」
2. 地域の整形外科診療における虚血肢治療の現状について
座長 富村 奈津子 (南風病院)
座長 大谷 則史 (製鉄記念室蘭病院)
演者 門野 邦彦 (宇陀市立病院)

演者は地域の一般病院で一般整形外科診療を行いながらで、虚血下肢の診療を折に触れて行ってきた。これまでの症例を振り返り、整形外科医の行う虚血肢診療のありようについて検討する。
整形外科を受診する、虚血下肢患者はおおむね3型に分類できると考えられた。
1. 壊死タイプ:初診の時点で、足趾や下肢の壊死をきたしているタイプである。超高齢、重篤な基礎疾患を有する患者が多く、壊死の発症以前から寝たきりで四肢屈曲拘縮があることも多い。このタイプは救肢治療の適応がないことが多く、大切断が唯一の治療法となるが、全身状態が不良で切断手術すら不可能であることも少なくない。

2. 創傷タイプ:足趾潰瘍など慢性創傷がある場合や、蜂窩織炎など感染を生じて受診するタイプである。このタイプに対しては、ABI、SPPなどでPADの評価を行い、血管内治療、バイパス治療などの適応を判断し、適切な専門科へ振り分けることが求められる。下肢救済治療によって、近い将来の大切断の予防、遅延に期待がもてるのがこのタイプであるが、まだ一般整形外科ではこういったトリアージが標準的には行われていないと感じている。

3. 潜在タイプ:整形外科には、足のさまざまな症状を訴えて患者が受診する。創傷なしに足のしびれや冷感で受診しPADが見つかるタイプや、外反母趾などで受診した患者の足を診察したときに、皮膚の冷感や脈拍の低下に気づき、検査を進めPADが診断されるタイプなどが含まれる。このタイプでは血管内治療までは必要がないことが多く、薬物治療と経時的な観察を行っていくことになるが、市中の急性期病院の整形外科での診療形態になじみにくく、熱心に取り組む医師は多くないと感じる。患者自身も強い自覚症状がないため、通院が途絶してしまうことも多い。
今後、下肢循環障害に対する、予防、早期発見、治療が確立されれば、創傷や壊死で整形外科を受診する患者は減少すると予想しているが、現状では解決されていない問題が多くあると感じており、より多くの整形外科医が下肢救済医療に参画していくよう働きかけていきたい。

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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