5月27日(土)シンポジウム11「重症虚血肢に対して整形外科医はどう向き合うべきか~足病変に対する救肢治療への関わり・救肢、救命できない場合の対応について~」
1. 救肢不能例へのstrategy
座長 富村 奈津子 (南風病院)
座長 大谷 則史 (製鉄記念室蘭病院)
演者 花岡 英二 (JCHO千葉病院)

CLI・PADへのアプローチは、単科での治療では無理であることは周知の事実である。保険収載により、予防が進むことが望ましい。当院において、CLI患者に対し、集学的医療、そして2010年より院内での血行再建開始前後(A1992~2009年大切断158件107人 B2010~2015年大切断40件30人)を比較すると、退院時杖歩行可能(義足装着率)9.6→43.3%、自宅復帰率18.2→53.3%、最終大切断術後の死亡率1年A 33.7% B 35.7% 3年A 40.7% B 88.2%、ログランク検定p= 0.0928、Wilcoxon検定でp=0.0196* 有意差がみられていた。つまり、B群のほうが短期的な生命予後の改善が得られていた。だが長期的には、大切断となってしまうと、術後3年から急速に生存曲線の低下をしており、特にEF50%以下の患者は生命予後不良であった。さらに、EVT施行後切断せずに経過をした症例をふくめて、心房細動細動、低アルブミン血症と長期透析は、5年生存率を低下させる因子となっていた。

EF35%以下の症例は、切断により、心負荷が大きくなり、切断後、心不全のために術後早期に死に至ることがある。そのため、心機能低下例や手指壊疽発症例は、約6か月以内に死に至る可能性が高く、急変の可能性を患者・家族に説明の上、疼痛コントロールを行い、切断を行わないこともある。これらの症例に対しては、病状の告知をし、可能な範囲で自宅での生活を過ごせるように、周辺環境も整えていくことも重要と考える。自宅復帰の難しい症例においては、各科の連携、あるいは慢性期患者の長期入院可能な透析病院との連携を行い、看取りを行っていくことが必要である。

CLI患者の長期生命予後は望めなくとも、ADL・QOLを保つため時期を逸せず大切断を行い、義足を装着し、整形外科的アプローチも重要であることへの理解が本学会において進むことが望まれる。

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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