シンポジウム10-5「足関節ブロック~マゴットセラピーを活用するために知っておきたい診療ツール~皮膚科の立場から」

5月27日(土)シンポジウム10「マゴットセラピーの達人たちに聞く マゴットセラピーはこのように使う!(各診療科の立場から)」
5. 足関節ブロック~マゴットセラピーを活用するために知っておきたい診療ツール~皮膚科の立場から
座長 岡田 匡 (マミ皮フ科クリニック)
座長 三井 秀也 (ツカザキ病院)
演者 竹本 啓伸 (つがる総合病院)

マゴットセラピー(MDT)施行時に麻酔は不要です。しかしMDT導入前後に小切断やデブリドマンを行う際、何らかの麻酔を要することは少なくありません。MDTはそれ単独で足切断を回避できる症例もありますが、デブリドマンや小切断、NPWT、再建術などからなる一連の治療の中で用いることも多く、全身状態、抗血小板剤中止のリスクによっては全身および腰椎麻酔が適さず、必要な手術に支障をきたすことも経験されます。緊急時は尚更で、局麻での対応が困難な場合、麻酔は救肢の成否を左右しかねません。

当科は平成21年より常勤医一人に、大学病院から外来応援を得て診療を行っております。足病はCLI、糖尿病足病変のほか、ガス壊疽、壊死性筋膜炎など重症軟部組織感染症を扱い、その一方で足病診療の効率化を心掛け、従来の皮膚科診療を損なわないよう配慮しました。MDT施行に際しては、機械的デブリドマンとの優劣、代替治療の有無等を評価しましたが、MDT前後に深部デブリドマンや中足骨レベルの切断を要するケースが少なくなく、その際円滑な治療の原動力となったのは足関節ブロックでした。当科では前中足部手術に足関節ブロックを導入して8年になります。足関節ブロックは短期間の複数回手術であっても、臨時手術であっても、全身状態や抗血小板剤に左右されずに施行可能であり、全身麻酔時の慌しさや時間的拘束とは無縁です。

皮膚科は足を診る機会が多い診療科ですが、糖尿病やPADによる足病変に必ずしも十分取り組めている訳ではありません。MDTに関しても普及しているとは言い難いのが現状です。多くの皮膚科医にとって、MDTとその一連の治療は馴染みが少ない上、麻酔の諸問題も重なり参入し難いのかもしれません。
本シンポジウムでは、麻酔および足関節ブロックの観点からMDT症例を供覧し、地方の総合病院皮膚科でマンパワーが限られていても、MDTと下肢救済に取り組むことは可能であることを紹介したいと思います。

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

第9回日本下肢救済・足病学会学術集会プログラムはこちら
メニュー