シンポジウム10-3「マゴットセラピーにおける下肢温存治療の実際  〜整形外科医の立場から〜」

5月27日(土)シンポジウム10「マゴットセラピーの達人たちに聞く マゴットセラピーはこのように使う!(各診療科の立場から)」
3. マゴットセラピーにおける下肢温存治療の実際  〜整形外科医の立場から〜
座長 岡田 匡 (マミ皮フ科クリニック)
座長 三井 秀也 (ツカザキ病院)
演者 星 亨 (東大和病院)

演者は整形外科医である。主にIlizarov創外固定という器具を用いて難治性骨折、特に骨欠損を有する感染性偽関節に対して仮骨延長法を用いた患肢温存治療を行ってきた。

一般的に整形外科医は下肢救済に関して最も興味のない医師軍団と誤解されているようだが、われわれは大切断を好んで行っているわけではない。近年、糖尿病罹患率が増加し、血流障害や感染を併発した足壊疽患者は急増しているが、感染コントロールと血流再建、適切なデブリドマンなど集学的治療を行うことで下肢温存が可能になっている。一方、大切断による生命予後は不良であり、高齢者CLI患者では3〜4年、2年後の死亡率は下腿切断で25〜30%、大腿切断では45%、更に透析患者においてはその1年生存率は50%と著しく不良である。しかし、残念ながらこの事実を知る整形外科医は少ない。

演者は、先に述べたように下肢の難治性病態に対する温存治療を行ってきた経緯があり、2009年以降マゴットセラピー(MDT)による足壊疽の温存治療を行ってきた。

糖尿病性足壊疽は22例(23足2手)であり、男性16例女性6例、平均年齢62.5歳、PAD合併は14例で11例にEVTを施行、透析患者は9例であった。感染併発例は15例17足でガス壊疽の症例はなかった。起因菌はMRSA、緑膿菌、混合感染など12例で同定された。最終的に18足1手(76.0%)で患肢温存が可能であったが、最終的に大切断に至った5例中3(1年以内2)例が死亡した。また、1例がMDT治療中に急性心筋梗塞を併発して死亡した。糖尿病性足壊疽に対する患肢温存に関して、MDTは有用であった。

足壊疽に対しては、下肢温存治療を第一選択とした治療戦略が望ましく、全身状態と合併症、血流、感染などの病態を把握して治療すべきである。症例を提示し、整形外科医としての私見を述べる。

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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