シンポジウム10-2「マゴットセラピーはこのように使う!: 整形外科の立場から」

5月27日(土)シンポジウム10「マゴットセラピーの達人たちに聞く マゴットセラピーはこのように使う!(各診療科の立場から)」
2. マゴットセラピーはこのように使う!: 整形外科の立場から
座長 岡田 匡 (マミ皮フ科クリニック)
座長 三井 秀也 (ツカザキ病院)
演者 吉田 桂 (豊栄病院)

(はじめに)演者が勤務している地域では医療職の下肢救済への関心が高いとは言えず日常診療で苦労している。このような状況下でマゴットセラピー(以下MDT)を行っている立場から本法の使用経験について報告する。

(当院の概要)当院は新潟市北部に位置する地域医療を主体とする一般病院である。整形外科は1名、腎・透析内科は2名いるが血管外科や形成外科はなく、皮膚科と循環器内科は外来のみ週に数回の非常勤である。血行再建は他院に依頼しているが施行可能な病院は少ない。

(対象)2007年1月から2017年1月まで30人、40か所にMDTを行った(男性25人、女性5人、平均年齢65歳)。この内の31例が糖尿病や重症下肢虚血(以下CLI)による足潰瘍で11例には透析が行われていた。

(方法)MDTは全例free range法で行い入院治療を原則とした。創部はカバードレッシングで覆い、更にその上にストッキングを履いてマゴットの脱走を防ぎ2〜3日ごとに交換した。以前はマゴットの脱走や臭いのため個室管理としていたが特に問題がないことがわかり現在は大部屋でも行っている。切開・排膿や足指の小切断は適宜行いMDTにより壊死組織が除去された後は陰圧閉鎖療法や植皮などを行うこともある。創の治療と並行して装具療法を行い、治癒した後も再発防止のためフットケア外来に通院していただいている。

(結果)足潰瘍の31例中24例で大切断が回避された。大切断に至った症例は全てCLIを伴った透析例で、血行再建やLDLアフェレシスを行っても結果は不良であった。

(考察)近代MDTの基礎を築いたW. S. Baerは整形外科医であるが一般整形外科医の本法に対する関心が低いのは残念である。しかしデブリードマンや切断の判断、足の機能再建術や装具の処方は整形外科の専門領域であり、足潰瘍治療法の一つとしてMDTを有効に活用していきたいと考えている。

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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