5月27日(土)シンポジウム9「透析患者の下肢末梢動脈指導管理」
1. 透析患者における末梢動脈疾患の管理および下肢血流評価に関するアンケート
(下肢末梢動脈指導管理加算の説明、透析室での下肢末梢動脈管理加算運用の実情)
座長 菰田 哲夫 (こもたクリニック)
座長 小林 修三 (湘南鎌倉総合病院)
演者 菊地 勘 (医療法人社団豊済会 下落合クリニック)

2015年、厚生労働科学研究費 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業として、「糖尿病及び慢性 腎不全による合併症 足潰瘍・壊疽等の重症下肢虚血に関する実態調査」を施行した。この結果、透析患者の 四肢切断数が増加傾向にあること、新規の四肢切断率が高率であること、切断後の生命予後が不良であることを報告した。これを踏まえて、2016年4月の診療報酬改定で「人工透析患者の下肢末梢動脈疾患重症化予防の評価」が算定可能 となった(1月1人につき100点)。慢性維持透析患者全員のPADを評価、必要な指導管理を行い、ABI 0.7以下またはSPP 40mmHg以下の患者は、連携先の専門医療機関へ紹介することで算定可能となる。2016年8月末までに全国4,380の透析施設中2,237施設(51.1%)での届け出がなされていたが、県により違いがあり31.0%から75.0%までの大きな差が認められた。

この保険改訂に先立ち、2016年1月に全国の透析施設を対象に行った、「透析患者における末梢動脈疾患の管理および下肢血流評価に関するアンケート」は、1,420施設(患者数118,979人)からの回答が得られた。この結果、全患者にフットチェックを行っている施設は60.1%、下肢血流検査は50.5%と全体の半数程度であった。フットチェックの施行者は、多職種51.9%、看護師のみ44.2%、その他3.9%であり、医師のPAD管理に対する協力が低率であると考えられた。一方、維持透析施設においてPADによるCLI患者を発見した場合、主に導入病院に患者を紹介することとなるが、導入病院での集学的治療の可否は、自施設内で可能22.0%、他院との病診連携で可能39.3%、不可能38.7%であり、地域によっては十分なCLIに対する治療が行えないことがわかった。

透析患者はPADの合併が高く、生命予後を悪化させる重大な合併症である。透析室での厳格な管理による足病予防、早期発見、早期治療が重要となる。

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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