5月27日(土)シンポジウム8「下肢救済・足病と再生医療」
6. 虚血肢治療用低侵襲ナノ粒子製剤の実用化臨床試験
座長 秋田 定伯 (福岡大学医学部)
座長 室原 豊明 (名古屋大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
演者 江頭 健輔 (九州大学 循環器病未来医療研究センター 循環器病先端医療研究開発学部門)

【医療上の必要性と未解決の課題】

末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)は患者の生活の質を障害するだけで無く、予後不良の疾患である。中でも、重症虚血肢(Critical Limb Ischemia:CLI)患者の生存率は著しく不良(1年死亡率=25%)であり、癌患者の平均生存率より悪い。血管外科手術や血管内治療の適応の無いCLI患者に対して有効な薬物療法はないことから、画期的な有効性を発揮する治療的血管新生療法の開発が期待されている画期的な有効性を発揮する治療的血管新生療法の開発が期待されている。

「ナノDDS技術」を活用して、ピタバスタチン封入PLGAナノ粒子製剤を製造し、治験薬GMP製造に成功した(特許登録)。下肢虚血動物モデル(マウス、ウサギ、カニクイザル)を用いてピタバNPの筋肉内投与によって、側副血行路が発達する事を明らかにし、非臨床POCを取得した。

【研究目的】

重症虚血性疾患に対する革新的低侵襲ナノ医療を実用化するために医師主導治験(PhaseI/IIa)を実施し、臨床POC(Proof of Concept)を取得する。

【結果と考察】

PMDA薬事戦略相談(対面助言)を終了し、「慢性重症虚血肢に対するNK-104-NPの5日間筋肉内反復投与の非盲検,用量漸増による医師主導治験 (PhaseI/IIa) 」CLINICAL TRIAL REGISTRATION NUMBER: UMIN000008011を実施した。九州大学と名古屋大学の多施設共同試験体制によって、平成28年度に目標症例数である16症例すべての投与の完了とfollow upを完了した(Last Patient Out達成)。治験薬と因果関係のある有害事象はなく、懸念されたその他の副作用も認めなかった。「総括報告書」の完成を待って、臨床POC取得の有無を明らかにする。

期待される効能効果は以下である:ピタバNP製剤を虚血肢に対して筋肉内投与することによって、側副血行路の発達誘導(虚血肢血流の回復)と救肢(下肢切断回避)が得られる。それに伴って、安静時疼痛、虚血性潰瘍が改善される。

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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