5月27日(土)シンポジウム8「下肢救済・足病と再生医療」
3. 使用予定のヒト羊膜同種移植片(EpiFlx、AmnioFlx)を用いた下肢再生治療
座長 秋田 定伯 (福岡大学医学部)
座長 室原 豊明 (名古屋大学大学院医学系研究科 循環器内科学)
演者 大山  拓人 (福岡大学医学部形成外科学教室)

【はじめに】
糖尿病性足潰瘍は神経障害(PN)、血管障害(PAD)、感染症(infection)の3つの病態が単独、もしくは複合的に作用し生じる。それぞれの病態が創傷治癒を遅延させ、しばしば治療者を悩ませる。今回私たちは糖尿病性足潰瘍に対しヒト羊膜同種移植片 ( EpiFix® )を用い創治癒効果を検討した。本邦ではまだ用いられておらず、若干の文献的考察を加え報告する。

【対象・方法】
当院形成外科に通院または入院中の糖尿病性足潰瘍患者3名を対象とした。
潰瘍は足関節以下に存在し、臨床上感染兆候が無く、腱・骨の露出を認めないものを対象とした。足背皮膚灌流圧(Skin Perfusion Pressure)が30mmHg以上またはABI(Ankle-Brachial Index)が0.7以上1.2以下のものを対象とした。潰瘍部を新鮮化した後、ヒト羊膜同種移植片 ( EpiFix® )を貼付固定した。治療開始後4週、6週、12週での創の経過を観察した。

【結果】
全症例で有害事象は認めなかった。潰瘍の増悪は認めず、上皮化、サイズの縮小と効果は様々であった。

【考察】
ヒト羊膜は、胎盤由来の独特な、薄い、コラーゲン性の膜で、その内部で人間の胎児が成長し、母親の子宮の中で発達する。主に基底膜、間質基質といったコラーゲンの層から構成される。今回使用したEpiFix®は厳密な管理下で精製された細胞羊膜同種移植片で、軟組織の再生を促進するために羊膜組織に存在する複数の細胞外基質タンパク質、増殖因子、サイトカイン、その他タンパク質を複合的に含有する。アメリカではFDAを通過しており、臨床現場でも使用されている。今回の3症例では一定の効果が認められたが、今後も症例を重ね検討したい。

※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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