シンポジウム3-3「静脈うっ滞を原因とする下腿難治性潰瘍の病態理解と治療選択」

5月26日(金)シンポジウム3「下肢静脈の世界 -このシンポを聞けばすべて分かります-」
3. 静脈うっ滞を原因とする下腿難治性潰瘍の病態理解と治療選択
座長 星野 俊一 (福島第一病院)
演者 春田 直樹 (たかの橋中央病院)

下肢静脈疾患治療において、2つのエポックメーキングな出来事がありました。一つはレーザーやラジオ波を用いた血管内焼灼術の保険適応であり、もう一つはSEPS:subfascial endoscopic perforator surgery(内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術)が2014年4月より保険収載されたことである。SEPSは下肢静脈疾患の中でも特に静脈うっ滞性皮膚炎に伴ういわゆる下腿難治性潰瘍と言われる疾患(以下:C4b-C6病変)に有用な術式です。静脈瘤を長期未治療で放置しておりますと、下肢特に下腿が慢性静脈高血圧という病態に晒される結果、内果近傍のC4b-C6病変、静脈瘤破裂を来します。この段階まで進行した症例の多くは、下腿にある穿通枝静脈の弁不全(不全穿通枝:IPV( Incompetent Perforating Vein))も伴うようになっており、深部静脈より表在静脈系に直接逆流が生じ、潰瘍形成や静脈瘤破裂を生じます。この状況では、新たな潰瘍形成を来す恐れがあるため、下腿で直接静脈処置をすることは困難です。

静脈うっ滞性皮膚炎において圧迫療法が第一選択であることに未だ変わりはありませが、SEPS等の血管外科治療を選択することで、うっ滞性皮膚炎の鎮静化を早めたり、圧迫療法の効果を高めたりする利点があります。そこで今回静脈うっ滞性皮膚炎の主因である「慢性静脈高血圧」と言う病態に関して解説し、SEPSがどの様な機序で慢性静脈高血圧を改善するのか、更にこの病態に即した圧迫療法に関して解説します。

下肢救済において、下腿難治性潰瘍症例の中から的確にC4b-C6病変を選別し、その病態に基づいた最適な治療法を提示すべきであり、現在選択し得る治療法の理解が重要であります。

 
※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)
 
 

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