特別企画2-5「救肢における靴の重要性―整形外科医の立場から―」

5月26日(金)特別企画2 日本靴医学会合同シンポジウム「救肢における靴の重要性」
5. 救肢における靴の重要性―整形外科医の立場から―
座長 塩之谷 香(塩之谷整形外科)
座長 竹内 一馬(那珂川病院)
演者 門野 邦彦(南奈良総合医療センター)

整形外科では足部変形の保存的治療や、観血的治療の後療法として、靴型装具や治療靴を使用する。また靴には足部を保護する役割も併せ持つ。糖尿病患者では時に凹足変形を来たすことがあり、第1中足骨頭下に巨大な胼胝を来たすことがある。胼胝下潰瘍を形成することもあり、重症感染を併発した場合には足趾切断の危険性もある。また高度な外反母趾変形においては第1MTP関節内側のバニオン(腱膜瘤)の肥厚により皮膚潰瘍を来たすことがある。これらのように足部縦アーチの異状に伴った疾患では、足底の形状に合わせて作成されたアーチサポートタイプのインソールが症状を緩和させるために有効である。特に第1-第5中足骨間角が開大する開帳足ではメタターサルパッドを用いて横アーチの矯正を試みることも有用である。関節リウマチを伴っている場合は足趾にハンマートウやクロートウを合併していることも多いので、PIP関節の背側で胼胝や潰瘍を形成する。抜本的な解決には観血的治療が必要であるが、広いトウボックスの靴を選ぶことにより症状の緩和が期待できる。糖尿病の重大な合併症として神経病性関節症(Charcot関節)が挙げられるが、足部は頻発部位であり、高度変形や感染例では切断に至ることも少なくない。エックス線を用いて関節の変性をいち早く捉えて、total contact castを用いてアライメントの維持に努め、急性期を乗り切った後には短下肢装具やカスタムメイド靴を用いて歩行能力を維持する。慢性的に末梢循環不全をきたしている症例では、ひとたび潰瘍を形成してしまえば切断を余儀なくされることも多く、靴のみの効果で改善させることはきわめて困難である。足部の慢性創傷を予防する方策としてこそ、インソールや靴の重要性が際立つ。本シンポジウムではこれら足部の切断に至る危険性のある疾患に合わせた靴やインソールの使用について詳述する。

 
※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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