5月26日(金)特別企画2 日本靴医学会合同シンポジウム「救肢における靴の重要性」
4. 糖尿病患者の足を守る靴の重要性 〜たかが靴、されど靴〜
座長 塩之谷 香(塩之谷整形外科)
座長 竹内 一馬(那珂川病院)
演者 家城 恭彦(富山市立富山市民病院)

靴の役割は、二足歩行をする人の足を保護し、その機能を補助することにある。すなわち、固い地面からの衝撃を和らげ、外傷や極端な温度環境、汚染などから足を守り、バランスを保って身体をしっかりと支えるための「道具」=「靴」なのである。そうした観点から考えると、①足の形に沿った扇形の先端、②歩行時の足趾の動きを妨げないつま先のゆとり、③足と靴を一体化させる靴ひもやマジックバンド、④足をしっかりと保持・固定できる硬い踵、⑤クッション性に優れた靴底、などが機能的で足にやさしい靴としての重要ポイントとなる。

一方、糖尿病患者の足は、神経障害のためにしばしば変形し、防御能が低下しているため、潰瘍形成のリスクが高い。典型的には、中足骨骨頭部の突出により足底圧が上昇し、特定領域にズリ応力が繰り返し働く結果、組織に損傷を与え、潰瘍前病変(胼胝内出血、水疱、皮膚損傷など)を形成する可能性がある。実際、高足底圧と足底の潰瘍発生との間には、強い相関も見られている。したがって、糖尿病患者にとっての望ましい靴には、さらに以下のような条件が求められる。①シャルコー足などの変形に対し、足底圧の分散を図るためのインソールを装着する場合でも、しっかりと固定されかつ容量に余裕があること、②足趾の変形(腱膜瘤やハンマートゥ、クロウトゥなど)に対し、つま先部分に十分な空間があること、③縫い目がないこと、④靴やインソールは頻回に点検し、定期的な足底圧の評価に基づき適宜修正を試みること、そして何より、④潰瘍を引き起こした靴は再使用しないこと、などである。

また、靴との摩擦を軽減するために着用する靴下は、①大きすぎず(皺がよらない)小さすぎず(圧迫で血流を妨げない)、②白または薄い色(出血や浸出液が目立ちやすい)で、③蒸れにくく、④縫い目がないものが望ましい。

 
※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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