特別企画2-3「 救肢につなげる患者教育と靴に対する意識」

5月26日(金)特別企画2 日本靴医学会合同シンポジウム「救肢における靴の重要性」
3. 救肢につなげる患者教育と靴に対する意識
座長 塩之谷 香(塩之谷整形外科)
座長 竹内 一馬(那珂川病院)
演者 杉田 和枝(高村内科クリニック)

糖尿病患者の足を壊疽や切断から守るため、また足の障害で生活のQOLを下げないためにも医療機関ではフットケアを実施し、医師や看護師はその必要性を説明している。また糖尿病教室や市民講座などを通じて「糖尿病足病変とは」「足の見方や手入れ方法」「靴の選び方」等広く知識の普及と啓蒙活動を行っている。それでは患者さんは足や靴についてどのように思っているのかを知りたいと思い、当院の足外来定期通院者及び外来でフットケアを行っている糖尿病患者58名に対し実態調査を行っているところである。現在までに34名の結果が得られたので考察を行った。平均年齢69.7(45~84)歳。男女半々。受診目的は爪切り、胼胝・鶏眼ケアが多く、過去に潰瘍や切断歴のある患者5名のケアも存在する。6割の者は靴が原因で足にトラブルを起こしたことがあり、7割の者が靴ずれや胼胝が原因で糖尿病患者は壊疽を起こすことがある事を知っていた。しかし自分の靴選びには「ゆったりとして足が痛くならない靴」「履きやすい(着脱しやすい)靴」を好み「足を守るために履く」と答えたものは1名にすぎなかった。紐のある運動靴を選んでいる傾向だが、その紐を活用している者は少なかった。また6割の者が量販店や大型スーパーの靴売り場で購入し、靴専門店で買う者は2割に満たなかった。自分の足のサイズ測定をしてもらった事がある者は4割で、6割は自分の経験からサイズを決めていたことがわかった。受診時に履いてきた靴は普段よく履く靴と同じと答えた者が半数を超えていた。

これらの結果から受診時に履いている靴をよく見て、身体的側面やライフスタイル等個々に合わせた靴の選択と履き方を示す必要があると改めて感じた。また『私の足はどんな靴を履いてもダメ』とあきらめているケースもあり、望ましい靴選びができるよう医療従事者は確かな知識と情報をもち的確なアドバイスを行う必要がある。

 
※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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