5月26日(金)特別企画2 日本靴医学会合同シンポジウム「救肢における靴の重要性」
1. 糖尿病足病変患者の履物の意識調査
座長 塩之谷 香(塩之谷整形外科)
座長 竹内 一馬(那珂川病院)
演者 遠藤 拓(バン産商株式会社)

【目的】本邦の糖尿病患者は増加傾向にあり糖尿病足病変患者の発生起因として多いものに靴ずれがあると報告されている.医師から足底装具または靴型装具を処方され製作するものの患者が金額を受け入れそれを履き続け無ければ効果はでない.今回糖尿病足病変により足底装具または靴型装具が必要と処方された患者19名に対し履物調査をしたので報告する.

【対象と方法】2013年8月から2014年7月までに医師から糖尿病足病変により靴型装具または足底足具が必要と処方された患者19(男性14,女性5)名平均年齢60.4歳,身長164.1cm,体重64.3kg,BMI23.8を対象とした.全例神経障害を有し糖尿病足病変の治療目的で屋内用または屋外用の足底装具または靴型装具を製作した.採型・採寸時に患者が履いていた靴に対し,その靴の満足度をとても良い,良い,普通,やや悪い,とても悪いと5段階で装用頻度を毎日履く,ほとんど毎日,週2,3回,週1回,ほとんど履かないと言う5段階,最後に靴ずれがあったかどうかについて全くない,ほとんど無し,少し,やや多く,かなりあったと言う5段階でアンケート調査した.

【結果】患者が履いていた靴の内訳として新品はなく全例3ヵ月以上履いていた靴であった.甲が調節できる革靴6名,運動靴6名,スリッポン4名,リハビリシューズ2名で靴型装具は1名に留まった.靴の満足度は大変良い・良い10名(55%),普通5名(27%),悪い・とても悪い3名(18%),装用頻度は毎日履く・ほぼ毎日が12名(68%),週2,3日が4名(18%),週1日・ほとんど履かないが3名(14%)であった.靴ずれの有無について全くないが16名(86%),やや多くが2名(9%),かなりあったが1名(5%)となった.

【考察】靴により慢性的剪断力が足にかかるにも関わらず履物に満足している患者が多い傾向が見られた.また,足部固定の良い半長靴より短靴を好む患者が多かった.日本の特異性である靴の歴史が浅く,一日中靴を履かない生活習慣,高温多湿の気候,靴にお金をかけない傾向と関連すると示唆される.

 
※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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