5月26日(金)特別企画1 JET合同企画(ビデオライブ)
企画4「全て見せます、重症下肢虚血の創傷管理」
2. 感染創に対するdebridementの実際 〜いつ、どこまで開けるか?〜
座長 田中 克己(長崎大学医学部形成外科)
座長 富村 奈津子(南風病院)
演者 古川 雅英(大分岡病院 形成外科)

重症下肢虚血の創傷管理はTIME理論に基づいたWound bed preparationを行うことではあるが、hostが糖尿病、透析患者(compromised host)である、虚血の影響、足部の解剖学的特徴等により非常に難しい。虚血が無ければ感染創の壊疽、壊死組織は除去するのが鉄則であるが、虚血があると切開すればそこが壊疽に陥るため、血行再建後に改善を確認してdebridementを行うことが基本である。しかし、症例によっては血行再建よりdebridementを優先したほうがよいこともある。感染とは細菌が増殖して治癒が遅れ、創部の組織が損傷を受ける状態で、そこに留まれば局部感染、周辺部位に問題を引き起こせば拡大型感染、さらに重症化すれば全身状態に影響する全身感染となる。血行再建より先にdebridementが必要な患者とは、1)近い将来全身感染を起こしそう、2)既に全身状態を起こしている、患者である。いずれにしても周辺部位に発赤や腫脹を認める拡大型感染創が見られる。1)の場合単純に壊疽、壊死を除去し、断端から皮膚発赤範囲に切開して直下の屈筋腱や伸筋腱を露出し、重症下肢虚血が回復したときに十分な排膿路として機能して洗浄しやすく、全身感染に発展しないようにする。2)の場合は皮下脂肪層もしくは腱に沿って中枢に感染が進行し、血行があるところで膿瘍形成しており、皮膚切開に加えて感染に関わる腱、骨、関節周囲組織などの切除も追加する。術後は抗生剤の全身投与も開始して血行再建を待つが、いずれの場合も断端から壊疽化する。EVT後の歩行は禁止し、debridementまで出来るだけ安静、挙上としている。また2)の場合は組織の欠損が大きくなるためより多量の血液が必要になる(バイパス手術など)ことも考慮しておく。

 
※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)

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