特別企画1 JET合同企画2-4「Trans-collateral / trans-pedal retrograde approach 適応とテクニック」

5月26日(金)特別企画1 JET合同企画(ビデオライブ)
企画2「複雑病変へのEVT どのテクニックを、どこで、どの様に活用するか?」
4. Trans-collateral / trans-pedal retrograde approach 適応とテクニック
座長 浦澤 一史 (カレスサッポロ時計台記念病院)
座長 末松 延裕 (済生会福岡総合病院)
演者 原口 拓也 (カレスサッポロ時計台記念病院 循環器センター)

重症下肢虚血(CLI)患者において血行再建が果たす役割は、創傷を治癒することにあり、進行した創傷においては更なる進展を防ぎ、そして大切断を回避することにある。CLI患者において血流改善は創傷治癒に至るための重要な治療法の一つだが、その末梢血管病変、特に膝下動脈(BKA)病変は非常に複雑であり、治療は容易ではなく、むしろ難渋する症例が多い。また血管内治療(EVT)を無事完遂したとしても、治療したBKA病変は3ヶ月で70%の割合で再狭窄・閉塞に至ってしまうため、創傷治癒に至るまでに再治療・再々治療を行わざるを得ない症例がある。いずれにせよ、まずは血流再開しない限りは創傷治癒へのスタートラインには立つことはできないため、実臨床において手技成功率を高めることは非常に重要な課題である。
 本抄録では、当院の成績を元にEVTついでは小生が頂いたテーマであるTrans-Collateral Approach(TCA)とTrans-Pedal Approach(TPA)を含めた実情を提示する。救肢困難症例を除く当院のCLI患者の2011年~2013年の救肢率は94%、大切断回避生存率83%であり、複雑病変であるBKA病変に対するEVT成功率は93%だった。小生の2016年のEVT件数は123例、うち慢性完全閉塞(CTO)は72%だった。EVT成功率は97%であり、そのうち4例が手技不成功例で、全てBKA病変で足関節以下動脈(BA)が皆無な症例だった。BKAのCTO病変は95% (59/62例)で、逆行性アプローチを追加した症例はそのうちの47%であり、distal puncture(DP)が62%、TCAが31%、TPAが17%だった。昨今の症例はBA病変を有す症例が散見され、逆行性アプローチを行うことが困難な症例がある。血管・創傷の解剖学的要素、手技・デバイスの要素の積算で手技成功率は変わるが、さらに造影の観察力、そして洞察力とを組み合わせることで成功の鍵を手中に収めることがあると小生は考えている。
今回提示するvideo live caseは、BKA病変でTCAとTPAのcombinationで完全血行再建し得た症例である。患者背景・解剖学的背景・医療背景を考慮した上で、テーラーメイド型治療を提供することは必要であるため、本症例を通じて参加者の一助となれば幸いである。

 
※本ページの使用画像はイメージです(過去の学会風景より)
 
 

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